7、免疫の条件付け

   
まず、レモンや梅干を想像してください。口の中に唾がでてきませんか?これは
   パブロフの実験で有名な条件反射です。みなさんの中には「レモン→酸っぱい→
   唾液がでる」という反応がインプットされていて、レモンを想像しただけで、唾がで
   てきます。これが条件反射です。

    パブロフ類似実験。これはロチェスター大学の心理学者ロバート・エイダーが行っ
   た実験で、今回の最重要ポイントです。ラットは甘いものが好きなので、サッカリン
   水も好きです。しかし、条件反射を利用して、サッカリン水を嫌いにしてしまおうとい
   う実験です。

    サッカリンをラットに与えた直後に、サイクロフォスファマイドという薬を注射します。
   これは吐き気を催す薬で、ラットは「おかしいな?サッカリンは大好きなのに、サッ
   カリンを舐めると吐き気がする」と考えるようになります。

    「サッカリン→吐き気」という条件付けをすることにより、ラットはサッカリンが嫌い
   になります。

    そして、実験を続けるうちにサッカリンを与えた後、ラットが死んでしまったというの
   です。また、実際にサイクロフォスファマイドを注射しなくても、サッカリンを飲むと吐
   き気を催すだけでなく、ラットが死んでしまうという結果がでました。

    実は、サイクロフォスファマイドは免疫抑制剤なのです。免疫を抑制するので、エイ
   ズにかかった時のような状態になってしまったのです。

    この実験では、サイクロフォスファマイドの主な作用は「吐き気を催す」ことであり、
   副作用は「免疫を抑制する」ことでした。

    サイクロフォスファマイドは免疫抑制剤なので、注射されれば感染症で死んでも不
   思議はありません。また、注射しないでサッカリン水を飲んだだけで、吐き気を催す、
   これも条件反射で説明がつきます。

    では、なぜサイクロフォスファマイドを注射せず、サッカリン水を飲んだだけで、感染
   症で死んだのか。これはつまり、
免疫を抑制するところまで条件付けされたということ
   です。
     
    
サッカリン水を与えてサイクロフォスファマイドという免疫抑制剤を打ったら、精神的
   なものと免疫の間につながりができたのです。
この実験は「免疫は独立して機能してい
   るわけではなく、神経系と関係している」ことがわかったとても大切な実験です。