4、精神神経免疫学

   
精神や心、つまり大脳や神経と免疫の間には非常に重要な関係があり、これに
   は「精神神経免疫学」という名称が付けられています。

    「脳は体の処方薬局である」と言われており、ホルモンなどを出す司令室にあたり
   ます。ウイルスが人体に感染した時、はねのける働きをする「免疫システム」は独立
   しており、脳や神経などとは無関係と言われてきました。

    ウイルスに対して抵抗する細胞、免疫細胞を体内から取り出して試験管の中に入れ、
   さらにその中にウイルスを入れます。すると、免疫細胞はウイルスを退治します。この
   実験は「免疫は脳や神経などから独立して、勝手に働く」ということの根拠になっていま
   す。

    しかし、脳と免疫は全く独立していて、何の関係もないということではないようです。

    今までは、脳と免疫が関係しているということは、基礎医学の研究者、臨床医のどち
   らにも信じられてはいませんでした。

    しかし、ある施設で配偶者を最近亡くした人を集めて採血し、免疫力を調べたところ、
   明らかに同年代の健常者と比べて、免疫力が低下しているという 結果がでました。

    また、脳と免疫の関係を調べるために、ラットにストレスを与えて、その免疫力を比べ
   るという実験も行われました。

    ラットの背中に腫瘍細胞を移植し、あるラットには何もせず、もう一方のラットは小さな
   ケースに入れて電流を流しました。すると、ストレスを与えたラットの方が明らかに腫瘍が
   大きくなっていました。

    さらに、ストレスがどこに作用するかを調べると、脳の視床下部であることが、分かりまし
   た。ここはホルモンを制御している場所です。この視床下部を人為的に破壊すると、その
   ラットの免疫機能が低下しました。

    これらの実験より、「精神的なものと免疫は非常に関係が深い」ということが分かりました。