ベッドサイドの風景1 (病気が私たち教えてくれること    

   
  
「人生万事塞翁が馬」という諺があります。良いと思ったことが悪い結果をもたらし、
 ダメだと思ったことが後々良かったりと人生はあたかも転がるラグビーボールのようです。


  
さて、私たちはなぜ病気になるのでしょうか?ここでみなさんにお尋ねしているのは
 病理学的なことではありません。


 
 以前、私のところに胃がんのため手術で胃を3分の2切ってしまったTさんが来院し
 ました。その方は胃がんになる前はお肉や脂っこいものが好物で分厚いステーキを毎日の
 ように食べていました。


  
そのため糖尿病と痛風が持病でした。ところが、胃の手術を受けてから食べ物の嗜好
 が肉食から菜食にすっかり変わり、そのため糖尿病と痛風も治ってしまったのです。


  また、Kさんという心筋梗塞で生死の境をさまよい、生還し、その後遺症の治療で
 来院された方がいました。


  
この方は生来気性が激しく、人を踏み倒してでも自分が前に出るとというタイプの人
 で大小の敵をあちこちに作っていました。


  
しかし、心と病気の関係、考え方の転換、リラクゼーションのための呼吸法などをお話したと
 ころ、徐々にではありますが、身体の調子も人間関係も良くなってきたとのことでした。


  
病気の意味とは何でしょうか?

  
日々の臨床経験から私には「これ以上無理(この場合、脂っこいものをたくさん食べる、激しい
 怒りなど)すると大変なことになるぞ!」という天からの警告のように思えてなりません。


  
病気や日常生活で遭遇する様々な出来事はそれ自体に良いも悪いもなく、ただの事象で、その
 見方(判断する人の考え)で良くも悪くもなるのではないでしょうか。


 
「理屈と膏薬はどこにでもつくといいますが、客観的に悪いと思われることも、まず、
 良かったと思うと後からなぜ良かったのか理屈が付いてきます。その逆もいえます。


  
まとめてみましょう。

 1、病気やいろいろな問題は「このままではいけない」という天からの警告と思い、今ま
   での自分の考え方や行動を変える契機とする。

 2、客観的にみて悪いことも見方を変えると良いものになる。良いことも悪いことも努めて
   良いように解釈する。

  このように考えると「病気も縁あって私のところに来たのだから闘病はやめて仲良く
 しよう」と思えてきます。すると体も良くなっていくから不思議です。